全身へ影響する
噛み合わせのトラブル
噛み合わせ治療
噛み合わせの問題は噛む能力への影響だけではなく、例えば、姿勢であったり、見た目の美しさであったり、驚くほど多くの身体症状と関係しています。
その原因の中に、歯科治療によって引き起こされる噛み合わせの異常がある場合は当院にご相談ください。
噛み合わせ治療
(咬合治療)について
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歯科治療後に引き起こされる噛み合わせの悪化
歯科医院でかぶせもの(クラウン、ブリッジ、インプラント、入れ歯等の補綴物)を入れたり、歯を削られすぎたりしたために、うまく噛めない、顎が安定しない、頭痛がする、首が痛む、腕がしびれる、精神的にイライラするなどの症状が出るなどの疾患を訴える患者様が増えています。これは「咬合病(噛み合わせの病気)」と呼ばれるものです。
オーダーメイド治療例
こうした症状を改善していくのが咬合治療です。具体的な処置としては、患者様の症状、普段の生活習慣などをお聞きするような治療(オーダーメイド治療)になります。 -
こんな症状があれば噛み合わせの異常があるかもしれません
- 口を大きく開けることが難しい
- 口を開けると顎が痛く、こめかみあたりから「カクカク」と音が鳴る
- 睡眠中の歯ぎしりや食いしばりを指摘された
- 上下の顎の中心がずれている
- 口角が常に下がり気味だ
- 顔の歪みが気になる
- 食事ではどちらか一方の歯だけで噛んでいる
- 食事の時に噛むのが疲れてくる
- ほうれい線の左右の長さや位置が違う
- 放置している虫歯がある
顎の噛み合わせの仕組み
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3次元的に自由に動く=簡単なことでずれてしまう顎の関節(顎関節)
下の顎(下顎)は、上の顎(上顎)から靭帯などで吊られているという構造上の特徴があります。このことは顎の動きを3次元的、かつ自由に動くことを可能にし、ものを噛むときに顎の位置を安定させる大きな手助けをしてくれます。
しかし、実はこの顎を3次元的かつフレキシブルに動かせるようなこの構造は、そのまま「顎は簡単なことでずれてしまう可能性がある」というデメリットももたらしてしまうのです。 -
顎のずれを制御している口腔内における山と谷(咬頭傾斜)
天然の歯をよく観察してみると、右の図の赤斜線、緑斜線のように山と谷が連なるような形態をしているのがわかります。これが咬頭傾斜と呼ばれるもので、顎が前後にずれてしまうのを制御する手助けをしているのです。
普段意識されることはありませんが、“天然の歯”というものは、この「咬頭傾斜」をはじめ、顎の動きに非常に重要な影響を与える機能を持ち合わせています。かぶせものをしたり歯を削ったりという治療は、こうした機能の回復を目指さなければいけないのです。
しかし実際に行われている歯科治療ではそこまで考慮されていないものが数多くあります。 -
典型的な咬合治療例「咬頭傾斜の喪失」
上手くものを噛むことが出来ない、また顎がずれる、口が開きにくいといった不調を訴えて来院なさった患者様がいらっしゃいます。その方の口腔内の模型写真をご覧になって下さい。この症例写真、2枚の写真の違いがわかりますでしょうか?
右の写真の歯の斜面は平らになっていて、山と谷(咬頭傾斜)が存在していません。こうした平らな歯だと上と下の歯がしっかりと噛み合わないので、あごが前後、もしくは左右にズレてしまいます。こちらの患者様は、治療によって歯の山と谷を作り噛み合わせを改善することによって、症状が改善されました。
しかし、人間(特に米を主食にする人種)は加齢共に歯をすり減らしながら歯を使って行くので、うまく自然にすり減った歯の場合はこのケースとは異なります。
噛み合わせの治療
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ボトックス注入治療
ボトックスをお顔に注入すると、筋肉の働きを抑制して緊張を緩める効果があります。
歯ぎしりが原因で肥大化した咬筋も小さくなり、小顔効果も期待できる症例もあります。1回の注射で効果は3~6か月持続しますが、効果の持続には定期的なボトックス注入が必要です。 -
マウスピース治療
顎の痛みやこめかみから「カクカク」と音が鳴るなどの症状は、お顔周りの筋肉のバランスが崩れている可能性があります。その際は睡眠時にマウスピース型のプレートをお口の中に装着していただくと、歯ぎしりや食いしばりの防止が可能です。筋肉の緊張を和らげながら噛み合わせを整えていき、顎関節症の改善をめざします。
噛み合わせのチェック
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Step01
噛み合わせのチェック
専用の器具をお顔に装着していただき、上顎と下顎の位置を検査します。噛み合わせと体の中心が垂直かどうかや、そこにズレがないかなどをチェックできます。
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Step02
咬合器で顎や骨格を診断
検査器具から明らかになった情報を咬合器に移した後は、顎や骨格を模型として三次元的に再現し、現在の状態を診断します。
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Step03
咬合器に模型を装着
作製した模型を咬合器に装着させ、上下の噛み合わせや中心の位置を確認し、正しく噛み合うポイントを調べます。
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Step04
咬合器でズレの確認
装着した模型を咬合器から実際の顎のズレをチェックします。そして、ズレをどのくらい修正すれば、正しく噛み合うのかについても確認します。
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Step05
顎の機能の再チェック
顎機能検査として顎の動きを立体画像で記録します。治療により顎の動きがどのように変化したのかを調べ、正しい働きへと改善を促します。
診療前の注意点
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- 治療により一時的に痛みを伴うことがあります
- ボトックス治療の場合は、ある程度定期的な通院が必要となります
- マウスピース治療の場合は、一定の期間を守って装着しないと効果が出ない恐れがあります
- マウスピース治療の場合は器具が口もとで見え隠れすることがあります